2015年4月24日金曜日

新人研修(理学療法評価~ボトムアップとトップダウン~)

ボバースコンセプトについては小休憩・・・・。

当院も4月より新入職員が入職した。

元気のいい新卒のスタッフである。

その新入職員を対象に4月5月と講義を行う予定なので、その内容についてまとめていきたい。


●ボトムアップ評価とトップダウン評価●
理学療法評価には大きく分けて2つの方法がある。1つめは、ボトムアップ評価で、疾患から考えられる評価をすべて行う方法である。この方法は、すべての評価法を行うため、問題点は必ず見つかるが、かなりの時間がかかるため臨床的ではない。しかも見つかった問題点が必ずしも重要なものではない場合がある。もう一つは、トップダウン評価で、問診より得られた困難な動作Demand姿勢・動作分析を行い必要な項目の評価を行っていく方法である。臨床的な評価方法であるが、姿勢・動作分析が中心となるため、姿勢・動作分析が行えないと評価が実施できない。姿勢・動作分析を行うためには、その姿勢や動作の構成要素を適切に把握しておく必要がある。
※全課題と部分課題
姿勢・動作分析は全課題もしくは部分課題にて実施する。全課題は構成要素がすべて入った動作であり、歩行であれば歩行動作のことである。部分課題は構成要素が2つ以上入った動作であり、歩行であれば、立位バランスやステップなどの動作である。

 
 
●姿勢評価のポイント●
私たちが動作を行う場合、中枢神経系からの指令によって筋が動き動作を行うが、それは環境と交流を持つことによって成立する。例えば、床がないところでいくら足を動かしても歩くことはできないし、重力がない空間では姿勢を保つことさえ困難である。また、私たちは環境と交流を持つことによって感覚情報も受け取っている。
 

そのため、姿勢を評価する際、環境と交流を持っている部分を先に評価していくとその他の代償的な姿勢戦略を把握しやすい。
 

立位
立位であれば環境との接地面は足底になるので、足部と下腿の関係性、下腿と大腿の関係性・・・・というように足底より徐々に頭側へ評価していく。
 
坐位
坐位という姿勢でも環境設定によって環境と関わる場所は異なる。
 
高い台に座り、足底が離れた状態であれば、環境との接地面は骨盤になる。そのため、骨盤より徐々に末梢部に向かって評価をしていくとよい。


足底がつく程度の高さの台であれば、環境との接地面は骨盤と足底になり、足底から頭側方向へ評価していく、もしくは、骨盤より末梢部に向かって評価していく2つの方法が考えられる。この場合、環境と接している割合がどちらの方が多いか(浅く座っているもしくは高座位であれば足底より、深く座っているもしくは低い台に座っていれば骨盤より)によって評価を始める場所を変更するとよいと思われる。

さらに、机に手を置いた時に上肢を評価していく際は、中枢部もしくは末梢部どちらからも評価していく事が可能となる。

臥位においては接地面が背面のみであり、おおよそ均等に荷重がかかっているため、どの場所から評価を行ってもよい。


本日はここまで・・・

続きはまた次回。

書籍の紹介
脳卒中片麻痺患者に対する理学療法

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