今回書いた論文は、去年の日本理学療法学術大会で発表したもので、SCUの担当理学療法士の増員と理学療法の実施回数の増加がFIMに影響を与えるかどうかについて調査したのものである。
この研究を行おうと思った経緯を説明すると、当院はSCUを21床有し、年間1100~1200例の脳卒中患者の受け入れを行っている急性期病院である。SCUでのリハ内容を充実させるため、理学療法士の増員を図り、SCU内の理学療法が2回実施できる体制をとった。体制が整い軌道に乗ったくらいの時期に、AVERTの急性期リハに対する調査結果を示した論文が発表された。内容は、早期から高密度・高頻度の介入は、mRS0-2(全く症候がない~軽度の障害)という良好な結果に含まれる割合を減少させたというネガティブなものであった。( The AVERT Trial Collaboration group:Efficacy and safety of very early mobilisation within 24 h of stroke onset (AVERT): a randomised controlled trial.Lancet.2015;386:46-55)
リハ量を増加させると悪くなるとは、全く思っておらず、せっかく理学療法士の増員を図り、多くのリハを提供したのに悪くなっていては元も子もない。当院の結果はどのようなものであったか、良い結果が出ることを願いながら今回の調査を行った。結果としては、理学療法士の増員を図り実施回数を増加させることで実施単位数の増加が図れた。また、FIM利得は増員前と比較し増員後の方が優位に改善していた。これにより、発症1.3±1.5日より開始された理学療法2.9単位、作業療法2.1単位の計5.0単位の実施量、そして理学療法2回、作業療法1回の計3回の頻度の実施量と実施頻度によってADLが改善することが示され、ホッとした。
内容に興味があれば、次回の雑誌「理学療法学」を読んでみて下さい。
J-Stageで早期公開も行われているようなので、こちらもどうぞ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/rigaku/advpub/0/advpub_11115/_pdf
本日はここまで。
続きはまた次回。。。
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