2015年4月7日火曜日

ボバースコンセプト(姿勢コントロール~1歩目の重要性~)

今回は歩行についてまとめていきたいと思う。
姿勢コントロールのメカニズムについてはこちら


歩行開始の1歩目は、歩くために一側下肢をコントロールする動作であり、随意的な運動である。1歩目がスムーズに行われることにより、CPGによる自動的な歩行が可能となるため、歩行の1歩目を効率的に行うことは重要である。

●歩行開始前の姿勢コントロール●
下肢を持ち上げるという動作は前方への外乱が加わる動作である。そのため、その動作に先行して重心を高く保ちながら後方へ重心を移し、姿勢が崩れないようにコントロールする必要がある。
効率的に1歩目を行うために、一側下肢を前方へ出していく際、その動作に先行して支持側となる下肢の後方(踵)へCOP(床反力中心)を変化させることが必要である。

●歩行開始時の神経メカニズム●
歩行開始の1歩目には、①皮質橋網様体脊髄システムによる正しい動作の方向付けを行った中で前庭脊髄システムが働き支持脚の強い抗重力伸展活動が得られること②皮質延髄網様体脊髄システムによる遊脚肢の円滑な姿勢筋緊張コントロールが行われることが必要である。
 
1歩足を前に出す動作に先行して、皮質橋網様体脊髄システムが働き、抗重力伸展位を保ちながら重心を支持脚へ移し、動作の正しい方向付けを行う。(Feedforward control)

 
重心が支持側へ移ったことにより支持側の床反力は大きくなる。その床反力情報は背側脊髄小脳路を介して前庭核へ伝えられ、前庭脊髄システムを働かせ支持脚の抗重力伸展活動を強める。(Feedback control)
皮質橋網様体脊髄システムおよび前庭脊髄システムにより、一側下肢で姿勢をコントロールすることが可能となったら、皮質延髄網様体脊髄システムにより遊脚肢は支持をすることをやめ、空間で円滑に姿勢筋緊張をコントロールできるよう調整する。(Feedforward control)
 
以上、歩行開始(1歩目)の神経メカニズムについてまとめを行った。
 
次回はリーチ動作についてまとめていきたいと思う。
 
書籍の紹介
脳卒中片麻痺患者に対する理学療法
 

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